船舶の撮影時にはスチル・動画にかかわらず数多くの注意点があります。
それは、航行を妨害してはならないことが大前提となるからです。
では、どのような注意点があるのでしょうか。
- 船舶の高さ(マストを含む)
- 船舶が搭載する機器(レーダー等)
- 船舶の速力
- 対象船舶周辺の環境
- 対象船舶までの距離
船舶の高さ(マストを含む)
船舶の高さは船舶の種類によって様々ですが、海面から30mの高さでも大型の帆船であればマスト高に届きません。したがって、対象船舶の高さを確認することはもちろん、周辺船舶の情報もAIS等で確認し、尚且つ補助者によって安全な高さを確保できるようにしなければなりません。
船舶が搭載する機器(レーダー等)
技術的には船舶のレーダーが使用する周波数と無人航空機が使用する周波数は異なっていますが、時より映像伝送に影響を及ぼす場合があります。そういった場合でも確実に操作できるようにしなければなりません。
船舶の速力
船舶の速力は船種によって大きく変わります。例えば大型の貨物船やカーフェリーなどは15ノット前後で、高速船などは23ノット前後、プレジャーボートなどはそれ以上となります。また、漁船などは漁労中は速力を落としている場合がほとんですが、帰港する際などはかなりの速力で移動します。それらを考慮したフライトプランを作成しなければなりません。
対象船舶周辺の環境
撮影中は対象船舶や他の船舶に気を取られがちですが、周辺の島、堤防、灯台、電線などの周辺環境を事前に把握し、飛行中も現在地を常に把握し、ゆとりのある飛行が必要です。
対象船舶までの距離
撮影には端末画面で対象船舶まで近づいていきますが、使用中のレンズ特性をしっかりと把握し、対象物までの距離を理解しておかなければ、非常に危険です。特にバックドリー・後ろ向きにバックしながら船首方向を撮影する場合は、通信が途切れた場合を想定し、いかなる場合でも航行を妨害しないようにしなければなりません。
港内での撮影について
指定港や重要港によっては飛行自体を制限している場合があります。また、制限がない場合でも海上保安庁への連絡等が必要な場所もありますので、必ず確認することが必要です。
photo: 日生・岡山にて